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この時期の身体の不調、もしかして春バテかも?

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季節の変わり目の寒暖差や環境の変化によるストレスで、自立神経が乱れることがあります。すごく辛いわけでもないけれど、地味に続く体調不良の原因は、もしかして「春バテ」かもしれません。
今回は、春の不調に対処するための具体的な方法を紹介します。何かと慌ただしい時期の不安を乗り越え、心地よい春を過ごすことができますように。

春バテってなに?天候や気温と関係あるの?

春バテとは、春になると感じる一連の体調不良のこと。春に向かうにつれて、身体は冬の寒さに慣れた状態から、急に温かくなった環境に適応しようとします。
また、春は朝晩の寒暖差が激しい時期。短時間での気温の変化に対応するため自律神経の活動が強まり、緊張した状態が続きやすくなります。このような自律神経の乱れが、体調不良を引き起こすことにつながるのです。

チューリップ

さらに、春は新年度の始まり。たとえば、がん治療中の方はご自身の仕事復帰や部署異動、転職、子どもの進学、家族の転勤など、生活の節目となるイベントが多い時期です。その準備や変化に多くの時間やエネルギーが費やされ、こころと身体に大きな負担がかかります。生活の変化によるストレスが体調不良につながってしまうこともあるでしょう。

春バテの大きな原因!自律神経の乱れをチェック

自律神経の乱れは、春バテの大きな原因のひとつ。自律神経は、身体のさまざまな機能を自動的に調節しています。全身の血管や内臓の働きなど、身体中の器官をコントロールしているため、自律神経が乱れると疲れや心の不調にもつながりやすくなります。

自律神経の乱れチェック

低気圧の日も注意が必要です。気圧が下がると空気中の酸素がわずかに薄くなるため、副交感神経が働いて身体を休めようとし、だるさを感じたり眠くなったりします。
また、がん治療中の場合、これらの症状は抗がん剤治療の副作用である可能性も考慮する必要があります。体調の変化があれば主治医に相談しましょう。

自律神経を整える方法

自律神経のバランスを整えるには、生活習慣の見直しがポイント。日常生活に取り入れやすい具体的な方法をご紹介します。

●軽い運動
運動には疲労感をやわらげたり、幸福感を高めたりする効果があることがわかっています。体力に合わせた軽いウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で気軽に続けることが大切です。

ウォーキングをする女性

ただし、抗がん剤治療中は免疫機能が低下しているため、感染リスクのあるジムやプールでの運動は控えた方がよいでしょう。治療による体調の変化を考えつつ、主治医と相談しながら行ってみてください。

●バランスの良い食事
野菜や果物、良質なタンパク質を含む食事は、自律神経の安定に役立ちます。

朝食

抗がん剤治療を受けている期間は、食欲不振や味覚の変化が起こる場合もあります。栄養満点の献立だとしても「美味しくない」と感じながら食事をしなければならないのは辛いものです。

バランスの良い食事を心がけることは重要ですが、がん治療中はまず体力を維持することを第一に考え「食べられるものを食べられる量だけ」食べましょう。できるだけ消化しやすく栄養価の高い食べ物を選んだり、小分けにして少しずつ食べたりするなど、食べられるものを探してみてください。
食欲がないときに食べる工夫については、こちらでもご紹介しています。

●十分な睡眠
良質な睡眠は、自律神経のバランスを整えるうえで欠かせません。
特に、がん治療中は痛みや不安、副作用などにより睡眠の質が低下することがあります。たとえば、リラックス効果のあるラベンダーなどのアロマオイルを使用したり、ハーブティーを飲むこともおすすめです。

湯船につかる女性

また、就寝前に38〜40℃ぐらいのお風呂に約20分入ることで、副交感神経が優位になって睡眠の質が高くなります。なかなか寝付けない場合や途中で何度も目が覚めてしまう場合は、主治医に相談してみましょう。

●ストレス対処
ゆったりした深呼吸や瞑想する習慣を持つことで、心身がリラックスし自律神経のバランスを整えることが可能です。瞑想は静かな場所であれば、横になったままでも行うことができます。目を閉じて呼吸に意識を向けてみましょう。5分程度の短い時間でも、毎日の習慣として取り入れると効果的です。

花

サプリメントは効く?医療機関にかかるなら何科?

特にビタミンB群やマグネシウムは、自律神経のバランスを整えるのに役立つとされています。ただし、サプリメントはあくまで補助的なもの。基本は運動や食事など、生活習慣を整えることが前提です。

サプリメント

また、自律神経の不調を感じたときは、内科を受診することが一般的。しかし、がん治療中の場合、サプリメントの服用も含め、まずは必ず主治医に相談することが重要です。抗がん剤治療との相互作用など、体に影響を与える可能性もあるからです。主治医は患者さんの治療履歴や体調の変化を把握しているため、適切なアドバイスや対処法を提案してくれます。
がん治療とサプリメントの関係性については、こちらの記事でもご紹介しています。

いかがでしたか?
新しい季節の変わり目は、こころと身体にさまざまな影響を及ぼします。調子が悪いと感じたときは、ぜひご自身の体調に合わせながら生活習慣を整えてみてください。暖かな春の訪れを、健やかに迎えられますように。

看護師/医療ライター 丸岡みどり

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