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患者さん その後の暮らし KUMIKOさん
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Masselでもとくに多くの方に読まれてきた、治療中の患者さんを追ったライフスタイル密着取材。治療をしながらの過ごし方や愛用品について教えていただきました。その後はどのように生活されているのだろう?治療を経てどんな気持ちの変化があったのだろう?
今回はご自身の経験をもとに患者さんをサポートするヨガスタジオを運営している、KUMIKOさんにお話しを伺いました。

プロフィール
KUMIKOさん(52歳) 広島県
〔家族構成〕家族+愛犬 2人暮らし
〔がんの部位〕乳がん(2015年)
〔治療の経緯〕抗がん剤→手術→抗がん剤(1回目とは別の薬)→放射線治療→ホルモン加療中(経過観察)

KUMIKOさん

変わってしまった自分を、変わらず受け入れてくれた場所

私は手術前・手術後と2回抗がん剤治療をしてるんですけど、1回目が7年前のちょうどいまの時期ですね。術前の抗がん剤は副作用がひどくて、本当は6クールのところを4クールで中断しました。術後の抗がん剤は違う薬だったせいか、副作用はほぼなくて。薬の種類でこんなに違うのか、と驚きました。

変わってしまった自分を、変わらず受け入れてくれた場所

ウィッグは手術前のタイミングでつくりました。治療をしながら仕事を続けるという選択をして、絶対に誰にもバレたくないと思っていたので、高価なものであっても『2年分の美容院代』だと思うことにしたんです(笑)。
お店に出入りするところも誰にも見られたくなくて、行ける範囲で近すぎないところ…それで、広島市内にあるスヴェンソンにしました。お客さん同士が店内で鉢合せしないようにとか、ものすごく配慮してくださるのがわかり安心して通えましたね。

変わってしまった自分を、変わらず受け入れてくれた場所

治療をはじめてから変わってしまった自分が情けなくて「元に戻れるんだろうか?」とか「こんなの私じゃない!」とか、不安がすごく大きかったんです。ウィッグを外した姿を自分でも鏡で見たくなかった。でも、スヴェンソンではそのまま普通におしゃべりできました。変わってしまった自分を、いままでと同じように変わらず受け入れてくれたのが、すごく嬉しかったです。

病気を経験してはじめた2つの活動

前回の取材はちょうどこのスタジオがオープンして1ヶ月くらいの時ですよね。病気を経験したことで、やりたかったことが明確になって「治療が終わったら自分のスタジオを持とう!」と決心しました。患者さんのためのヨガや治療中の美容相談など、心と身体の両面からサポートできる場所にしたいと思ってます。

病気を経験してはじめた2つの活動

コロナが流行してオンラインでの発信をはじめたんですけど、最初は試行錯誤の連続で。どうやったら画面を通してコミュニケーションがとれるんだろう?伝わるんだろう?いろいろ考えました。いまではオンラインクラスは当たり前ですが、それこそ当時は受ける方も「オンラインでヨガってどうするの?」という感じ。みなさん環境もデバイスも違うし、「オンライン?むりむり!」と言う方もたくさんいます。

そんな方に「私でもできるんだ」と感じてもらうために、固定電話で喋りながら一人ひとりと繋いで画面の操作の練習をしたんです。いまは対面でもオンラインでもどちらでも選べるようにしていますが、比率でいうと対面6割オンライン4割ですね。

私は広島県のがんピアサポーターにも登録していて、自分の体験を話したりボランティア活動を行っていたんですけど、コロナ禍になって病院にはほぼ入れなくなりました。ようやく再開をはじめた場所で患者さんのお話しを聞くと、手術の時も誰も立ち会えず、1人で入院して1人で手術して1人で退院という感じで…。

2017年にヨガスタジオをオープンして半年後、がん経験者のためのヨガクラスを始めたんです。そこからどんどん輪が広がっていって…参加してくれたがん経験者の方、三原市の保健師さん、社会福祉士の方やがん看護専門看護師さんまで、色んな方と繋がれました。この繋がりを活かしたいと思い、がんになった後の暮らしをサポートすることを目的とした団体「キャンサーズギフト」を立ち上げました。

治療が終わったけど爪にトラブルがある、でもどこに相談していいかわからないからインターネットで調べた、という方もいました。そういう1人で抱えこんでいた悩みを話せたり、解決できる場所があったらいいなと思って。コロナ禍で孤立しがちな患者さんに、利用していただければと思います。

キャンサーズギフト
※2019年の内容です
キャンサーズギフトHP

いまの仕事をしていて医療従事者や福祉関係の方、あるいはネイリストさんとか、たくさんの方と知り合うことができたので、今度は患者さんの悩みと世の中をつなげていきたい。オンラインが広がったいまだから、地方からでも発信できると思うんです。
ヨガの仕事とキャンサーズギフトの活動、それぞれをきちんと成長させていきたいです。

リンパ浮腫とスマホと早起きの意外な関係性

私、早起きがとても苦手だったのに、起きれるようになったんです。私のヨガの先生が毎朝5時30分からインスタライブでヨガをしてるんですけど、それに参加できるようになりました(笑)。
そのきっかけはリンパ浮腫です。去年の5月くらいかな?事務仕事がとても多くて、デスクワークする時間が長かった時期に、ある日ピキッ!って手術した方の腕に激痛が走って、病院へ行ったらリンパ浮腫だね、と言われました。

リンパ浮腫とスマホと早起きの意外な関係性

それから2ヶ月くらいスマホを持つのも辛くてSNS断ちしました。SNSは何も見ない、という生活を続けていたら、すごく質のいい睡眠がとれるようになりました。そしたら突然、朝早く目が覚めるようになったんです!その感覚がとても気持ちよくて爽やかで…。あんなに朝は苦手だったのに、人格入れかわった?ってくらい(笑)。

リンパ浮腫とスマホと早起きの意外な関係性

リンパ浮腫は乳がんを経験した人なら、すごく気を配ります。虫に刺されちゃダメ、重いもの持っちゃダメ、旅行の時にこれしちゃダメ…ガイドブックとか読むと、ダメなことがたくさん書かれていて、どうしようって思いますよね。
リンパ浮腫を恐れて我慢するより、プロのアドバイスを受けながら、やりたいことを少しでも叶えていく方が健やかだと思います。

治療して「10年後の未来」を体験

今年で治療を終えて7年経つんですけど、本当に体力的な意味で戻ったって感じますね。身体を動かしたときに前より動けたり、疲れても休むとちゃんと回復できたり。
副作用でいまも残っているのは…手のこわばりかな?まだ少し違和感がありますね。

治療して「10年後の未来」を体験

ただ、そこに意識が向かわなくなりました。受け入れたっていうのかな?がん治療したことない、更年期の人も同じようなこと言ってるから。
だから最近は「私は未来を体験した人」だと思ってます。治療すると10年ぐらい年を取るって言うじゃないですか。だから、治療が45歳の時だったから、55歳の私を体験したんだって。疲れが取れないなとか、動かないとか…それが最近動けるようになって、どんどん遡ってる感じ、若返ってます!(笑)

治療して「10年後の未来」を体験

未来から来たから、逆に行く先が見えてるっていう安心感があります。「なるほど、年取ったら身体はこうなるんだ」って。じゃあ、いま何ができるって言ったら、やっぱり身体を動かしておいた方がいいなって思います。

7年前の自分に伝えたいこと

焦らなくていいよって伝えたいですね。もう全然ゆっくりでいいからって。
私はがんに罹患するまで、めちゃくちゃ忙しく過ごしてたんです。子育てもバタバタだし、ほんとに視野が狭くて。その慌ただしい動きが病気で1回止まっちゃって、そこからゆっくり歩くしかなくて。でもビュンビュン動けていた記憶があるから早くあの頃に戻りたいって思ってました。

7年前の自分に伝えたいこと

頑張るんだけどできなくて、やりすぎると2週間くらい疲れが取れなかったりして落ち込んで、自分を責めて…それを行ったり来たり、3歩進んで2歩下がるを繰り返しながら過ごしました。でも、すぐじゃないけど、ちゃんと戻れるんです。

KUMIKOさん

しかもこのゆっくりした時間の中に、とても実りが多いということを知りました。それはやっぱり病気にならなかったらわからなかったこと。スポーツカーみたいにビュンビュン走り回る生活をいまだに続けてたら、見えなかった景色です。この時間があってよかったな、と思えるから焦らなくていいって伝えたいです。

(過去記事リンク)
KUMIKOさんにはじめてご登場いただいたときの記事はコチラ

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