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がん治療はどうだった?体験者のリアルボイス 南出美砂さん(前編)

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がん化学療法看護認定看護師として、がん治療の最前線で患者さんをサポートしていたところ自らも乳がんに罹患した南出さん。治療中に夫との離婚、新たな出会い、さらに自身の体験をもとにした映画の制作…看護師から患者さんの立場になったとき感じたこと、目まぐるしい変化の中で見つけたもの、クランクアップを終えた映画について、などたっぷりお話を伺いました。前後編でお届けします!

プロフィール
南出美砂さん(40代) 大阪府
〔家族構成〕娘、息子、と3人暮らし
〔がんの部位〕乳がん
〔取材時の状況〕手術→抗がん剤→放射線→ホルモン療法中

サポートする立場から一転、「がん患者さん」の立場へ

がん化学療法看護認定看護師(以下、認定看護師)を取得したのは、ある患者さんとの出会いがきっかけです。その方は乳がんで通院されていて、同い年ということもあり、私もいろいろ感じるものがありました。けれど、うまく関われなかった…というか、かける言葉やタイミングひとつとっても「これでよかったのかな?」と、思うことばかり。もっと確かな技術と知識が欲しい、資格をとって患者さんとしっかり向き合えるようになりたい、そう思い認定看護師を目指したんです。

勉強する様子

化学療法の認定看護師は、抗がん剤の投与をしたり、副作用のマネジメントをしたり、患者さんやご家族の心理的サポートをしたり、さまざまな場面で関わらせていただきます。がんの告知や治療方針など患者さんが医師と話す場面には、同席することもあります。
たくさんの患者さんを見てきて、病気や治療のことを理解してきたつもりだったんですけど、いざ自分が罹患して患者さんの立場になってみると、こんなにも景色が違って見えるんだと感じました。

180度逆の立場になって感じたこと

私が身体の違和感に気づいたのは、ふと寝転んだとき。あれ?胸のあたりに何か当たるかも?という感覚からでした。お恥ずかしい話、実はがん検診に行ってなくて、どこか「自分は大丈夫」って思い込んでいたんだと思います。

病院

その後は診察を受け、告知を経て治療がはじまるのですが、これまで患者さんが座っていた外来の椅子に、今度は自分が座るわけですよね。180度、逆の立場になって「患者さんは、こんな風に過ごされていたんだ」とすごく感じました。

落ち込む女性

抗がん剤に関しても、今までは看護師の立場で、患者さんに「つらいのは一時的なものなので、頑張りましょう」と励ましてきましたが、いざ自分が投与を受ける立場になると抵抗がありました。身体に薬を投与することも、その副作用も。患者さんには当たり前にご案内していたのに、自分は抵抗があるなんて…そんな自分がショックで、落ち込んだりもしました。

うつむいて入っても、顔を上げて帰れるサロン

仕事柄、ウィッグをつけた患者さんをたくさん見ています。そのなかで、外来に来られた方のヘアスタイルがとてもいい感じで「どちらのですか?」とお聞きしたら、スヴェンソンのウィッグでした。それで行ってみようかな、って思ったんです。

スヴェンソン

スヴェンソンのお店に行ってびっくりしたのは、居心地よく過ごすための配慮が徹底されていること。ゆっくり話せるよう個室だったり、他のお客さんに会わないように気を配ってくださったり…まるで美容サロンに来ているような感覚でした。

完全個室

ウィッグを実際につけてみて、最初はちょっと違和感があったんです。なんかしっくりこないというか…まだ髪がある状態だったので「かぶりました感」が気になったんですよね。その気持ちを率直に伝えたら、すごく丁寧に調整してくださいました。それで納得のいくヘアスタイルになって「これで安心して外に出れるな」と思ったんです。

ライブ

実際、治療中に映画やライブに行ったりしましたが、そこで出会う人たちは、私が治療していることやウィッグに全然気づかなかった。本当に自然だったんだと思います。
自分で納得するものを身につけるってすごく大事。見た目に違和感を抱えたまま仕事したり、人前に出るのってやっぱり嫌ですよね。スヴェンソンは、違和感を伝えたら気持ちを汲んで、きちんと答えてくれる。それがありがたかったです。
うつむいてサロンに入っても、顔を上げて帰れる、そんな場所でした。

抗がん剤の副作用と離婚、そして人生の見つめ直し

抗がん剤の副作用で大変だったのは、吐き気と腹痛です。今まで接してきた患者さんは、抗がん剤を投与した翌日からしんどくなる、という方が多かったんですけど、私は投与した日の夕方くらいから症状が出ました。

抗がん剤治療

吐き気で全然食べられないし、下痢でトイレと部屋を何往復もしているうちに立つのもつらくなって、這って行った記憶があります。3日間は動けなくて、仕事も休みました。4日目くらいから仕事に出ていましたが、その週はものすごくきつかったですね。次の週はちょっとラクになるんですけど、体力は相当消耗しました。抗がん剤をしながら仕事、想像以上に大変でした。

さらに、抗がん剤治療中に夫と離婚しました。がんを経験して「もうちょっと自分自身に目を向けてみよう」と思ったんです。いままで、仕事と家庭をめいっぱい頑張ってやってきたけど、もうちょっと自分の自由に生きてもいいのかな、と。

カメラ

自主制作映画を作ったり、歌をうたってみたり…治療が終わって、せっかく元気なのだから楽しめる「いま」を大切に使わなきゃって。時間に限りがあることを知り、人生を見つめ直したんです。見つめ直すサインが、この病気だったのかもしれません。

後編につづきます

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