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がん治療はどうだった?体験者のリアルボイス EMIさん

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2年に1回は検診を受けるように心がけていたEMIさん。家庭の事情で慌ただしく、検診が受けられなかった時期、ふと左胸のしこりに気づきます。目まぐるしく状況が変わるなかでの選択、副作用の乗り切り方、新しくはじめた活動…やわらかな口調で、しっかりと教えてくださいました。

プロフィール
EMIさん(64歳) 愛知県
〔家族構成〕夫と3人の子ども
〔がんの部位〕乳房
〔取材時の状況〕手術→抗がん剤→分子標的薬→放射線治療の後、経過観察中

検診に行けなかった時期、気づいたらしこりが…

私は専業主婦をしていたのですが、できるだけ2年に1回は検診を受けるように心がけていました。けれど家族が入院したり、親族に不幸があったり、色々なことが重なって時間がとれない時期がありました。そんなとき左胸のしこりに気づいて、レディースクリニックを受診したら「柔らかいから大丈夫だと思うけど、乳腺外科も行ってね」と言われました。そうこうしている内にえくぼみたいになってきて…これはすぐに受診しなくてはと思い大学病院へ行きました。

検診に行けなかった時期、気づいたらしこりが…

身体の不調も感じていましたし、エコーを受けたときずいぶん時間がかかったので「ああ、これはそう(がん)なんだな」って思いました。覚悟を決めて検査結果を聞きに行ったんですけど「乳がんです」と言われた後、記憶が飛んでいます。夫に同席してもらっていたので、家に帰ってから医師に言われた話の内容をひとつひとつ確認しました。

がん治療はどうだった?体験者のリアルボイス OGAWAさん

手術が1ヶ月くらい先に決まったので、その間に抗がん剤を先にするか後にするかという選択がでてきました。もともと全摘と言われていたんですけど「抗がん剤を先にしたら50%の確率で温存できるかも」と言われて、その判断はとても難しかったです。
結局、術前の抗がん剤はしませんでした。抗がん剤を先に受けて、手術するだけの体力が自分にあるだろうか…という不安が大きかったです。

検診に行けなかった時期、気づいたらしこりが…

リンパ節転移に関しては、術前の検査で「ない」とのことでしたが、術後目覚めた時に「リンパ節転移があったからリンパ節郭清(かくせい)※しましたよ」と言われました。翌日、主治医の先生から手術内容の説明を受けたのですが、さらにそのとき治験の話がでてきたんです。ものすごい分厚い冊子を渡されて「これを読んで検討してください」と言われたけど、ぜんぜん頭に入りませんでした。
※がんだけではなく、がんのまわりにあるリンパ節を切除すること。

検診に行けなかった時期、気づいたらしこりが…

がんと告知されてから、抗がん剤を先にするか後にするか、リンパ節転移、さらに治験の話…どんどん状況が変わる現実に、心がついていけませんでした。
様子を見にきてくれた看護師さんと治験の話をしていた時に、急に泣けてきてしまって。看護師さんはただ黙って手を握って一緒にいてくれました。いま考えると、本当にありがたかったです。

教科書通りにでた副作用

抗がん剤の副作用は、きっちりでました。そんなに教科書通り全部でなくていいのに!ってくらい(笑)
まず味覚障害。私は苦さを強く感じるタイプだったみたいで、お水が苦くて飲めませんでした。コーヒーなんてとんでもない。甘味も感じなくてチョコレートは、ぼそぼそ石ころを噛んでるみたいです。そのかわり酸っぱいものはわりと平気で、食欲が落ちて食べられない時期も黒酢ドリンクとか、ザクロ酢ドリンクを飲んだりしていました。

がん治療はどうだった?体験者のリアルボイス OGAWAさん

全身にむくみもでました。ちょうちんブルマって分かりますか?太ももまでがぼわんとふくらむ感じで、脚が象みたいになっちゃって。病院に相談したら利尿剤とか漢方薬を処方されたんですけど、一気に体重が10キロくらい落ちました。全身のむくみがとれた後も左腕だけむくみが残って、左右差が4センチくらいあったんです。これはさすがに変だと思って診てもらって、リンパ浮腫ということが判明し治療をしました。

心と身体について話せる、ウィッグ以上のウィッグ

脱毛は抗がん剤を投与した2週間後くらいからでしょうか。最初は枕に髪の毛がついてるなくらいで、そのあとシャンプーしているときにごそっと。ウィッグは抗がん剤の前に作りました。
私の通っている病院はアピアランス(外見)ケアのコーナーがあって、そこにスヴェンソンの営業の方がいらしてたんです。その方がすごくお話ししやすい方だったので、スヴェンソンのサロンに行ってみようかなって思いました。

心と身体について話せる、ウィッグ以上のウィッグ

白髪が出はじめた頃だったので、リアルな白髪まじりのものにしようか、それとも茶色っぽい若く見えるのにしようか迷ったんですけど、サロンに一緒に来ていた夫が「どうせ作るなら若返っとけば」って。それで若見えの方を選びました(笑)

心と身体について話せる、ウィッグ以上のウィッグ

お気に入りのウィッグがあることで、いろんな活動に積極的になれます。私の場合、患者会の活動もそうですけど、姪っ子の結婚式のときもスヴェンソンでヘアセットしていただきました。患者会でウィッグに対しての不安を口にする方もいらっしゃるのですが「今どきのウィッグ、すごくよくできてるから大丈夫だよ」とお伝えしています。さらに「実は私もいまウィッグつけてます」っていうと、すごく驚かれるんです。

がん治療はどうだった?体験者のリアルボイス OGAWAさん

スヴェンソンのサロンではウィッグ以外にも、相談にのっていただけたことがありがたかったです。弱くなった爪の手入れとか、感じたこととか、髪のこと以外にも悩みはあります。心と身体について素直に話せる、しっかり聞いてもらえる場所があるというのは大きいです。サロンで出会った方々とのつながりが、今の自分の活動にも活きています。

がん治療を体験して伝え、つなぐ

いま、自分でも患者会を主催しています。抗がん剤2回目の後、病院が運営する患者会のようなものがあってそれに参加してみたんです。そのとき身体が本当に重くて這ってトイレに行ってるんです、って打ち明けたら「わかります。私も這って階段登ってました」と言ってくださる方がいて、すごく気持ちが軽くなりました。

がん治療はどうだった?体験者のリアルボイス OGAWAさん

しばらくして、病院が運営する会は終了してしまうことになって。私はその会ですごく助けられたし、役立つ情報も得られたから、これからの人たちにとって絶対に必要だと思ったので、仲間を募って自分達で患者会として引き継ぐことにしました。

がん治療を体験して伝え、つなぐ

自分と同じ立場の患者さんのサポートもそうですが、これからは「がん教育」の活動も広げていきたいです。私はピンクリボンアドバイザーもやっているんですけど、アドバイザーを認定している団体で「がん教育外部講師養成講座」を受講し、2020年に資格をとったんです。でも新型コロナの影響で中々実践できず、昨年(2022年)にようやくリアルで400人の中学生の前でお話しをする事ができました。ものすごく刺激になったし、もっと勉強したい、伝える力がほしいなと思いました。これからも人との繋がりを大事にしながら活動の輪を広げていけたらいいなと思っています。

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