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【看護師監修】ニセ情報にまどわされない!信頼できるがん情報の見極めポイント

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がんを告知され、主治医から治療法について説明を受けたものの、突然のことで頭がまっしろに…。不安な気持ちでがんに関わる情報をインターネット検索すると「がんが治る」「がんが消える」などの情報が目につき、つい読んでしまうという方もいるかもしれません。
この記事では、情報が溢れる現代だからこそ、正しい情報を見極めるポイントについて紹介します。

がん宣告による不安から、自分の希望に合った情報を求めやすい

がんを宣告されると、その心理的ストレスの大きさから逃れようと、自分の希望に合った情報を求める傾向が強くなることがあります。
たとえば「自然療法ががんを完治させる!」というブログを見つけたとします。抗がん剤治療に不安がある場合、自然療法に対して好意的になり、さらに自然療法を推奨するブログやSNSから情報を積極的に集めるようになります。

スマートフォンを見る女性

このような状態に陥ると、自分の考えに反することについてはなかなか目に入らないため、客観的で正しい情報を見過ごす危険性があります。
がん治療は、医学的根拠に基づいていることが重要です。信頼性が高いがん情報や主治医とのコミュニケーションをもとに、バランスのとれた情報を集めることが大切です。

信頼性が高いがん情報を見極める3つのポイント

信頼性が高いがん情報を見極めるポイントについて紹介します。

●情報源を確認する
まずは、情報源がだれ(どこ)なのかを確認することが重要です。
たとえば、サプリなどの効果効能を語った記事は「販売目的の広告ではないか」チェックしてみてください。サプリや健康食品の広告には、売り上げを上げたいために、効果を過大に宣伝するものもあり、エビデンス(医学的根拠)が確認されていない情報が含まれているかもしれません。サプリの宣伝などが目的のWEBサイトや記事だった場合、信頼できる情報とは言えません。

様々な薬

また、個人のブログにも同じことが言えます。
サプリや健康食品のみならず、がん治療や薬などの効果効能には個人差があります。個人のブログで書かれている「〇〇でがんが治った」「〇〇したら、がんが消えた」などは、本当のことなのかもしれませんが、すべての人に当てはまるかというと、そうではありません。
がんの種類やステージが自分と同じ患者さんの情報でも、自分は自分と考えることが大切です。

パソコンのキーボードを打つ女性

もし気になる情報があれば、主治医に相談してみましょう。あなたの身体を医学的に、そして客観的に見てくれるプロは医療者です。

●古い情報ではないか
がん治療は医学の進歩が早く、新たな知見や治療法の情報が常に出てきています。古い情報や、いつ発表されたのかわからない情報は、そのまま信じないほうがよいでしょう。最新の医学的研究に基づく情報を選ぶことは、適切な治療法を理解する上でとても重要です。専門家や医学会が公表しているガイドラインを参考にしながら、情報収集することが推奨されます。

時計と砂時計

根拠に基づいた内容か
インターネットでがんについて調べるデメリットは、膨大な情報のなかに医学的に間違っているものや、明らかに偏りがあるものが存在することです。
たとえば「がんを治療する驚くべき新薬!」という宣伝に誘われて、未承認の治療法に多額のお金を支払ってしまう方もいるかもしれません。未承認の治療法とは、日本の薬機法という法律に基づいた正式な承認を得ていない、または他国では承認されているが国内での認可を受けていない薬剤を使用することを指します。

新薬を開発する様子

ある物質ががんに有効だと確認されるためには、場合によっては数万人単位を対象とした何段階にもわたる治験が必要になります。医師から提案された治療以外に気になることがあれば、がん相談支援センターに相談してみるなど、疑問を解消する工夫をしてみてください。

信頼できるがん情報のWebサイト3選

ここでは、信頼できるがん情報のWebサイトを3つ紹介します。

笑顔な二人の女性

●がん情報サービス
がん情報サービス」は、国立がんセンターが提供している公的なサイト。毎月約170万〜200万人もの人に利用され、がんについて最新のエビデンスに基づいた情報が提供されています。がん患者さん向けのQ&Aや相談窓口も充実しているため、信頼性とサポートの両面で高い評価を受けています。

●がん情報サイト
がん情報サイト」は、米国国立がん研究所が配信しています。世界最大で最新の包括的ながん情報データベースの日本語版サイトです。がんの種類別に情報が整理されており、最新の研究成果に基づいて定期的に更新されています。

●厚生労働省
厚生労働省」のWebサイトには、がんについての情報が網羅的に掲載されています。たとえば、治療の支援制度についても提供されているため、公的なサポート情報が得られるでしょう。

SNSとの付き合い方

SNSは、情報収集の手段としてとても便利なツールですが、適切な付き合い方が重要です。
SNSには、がんの種類やステージ、治療の進め方などが似ている人の情報が得られやすいという特徴があります。たとえば、独身・既婚や子どもの有無、何歳で乳がん…などいくつか共通項があると、親近感を抱きますよね。また、有名な医師や有識者の最新情報が得られるのもメリットです。

スマートフォンを見ている女性

しかし、自分が共感できる人の感情に引きずられやすい点には注意が必要です。たとえば同じ境遇の患者さんの「治療やめたい」「再発した」などの投稿に傷つくこともあるでしょう。また、リプライやDMなどで、あなたが投稿した内容に対し、悪意あるコメントがくる可能性もゼロではありません。

SNSでプライバシーを守る対策を

特定の人にしかツイートを見られない設定をするなど、必要に応じてプライバシーを守る対策を考えてみてください。SNSをチェックすることで余計に不安やストレスを感じ、ネガティブな感情が増幅されることもあります。しっかり自己管理しながらSNSと付き合っていくことが大切です。

いかがでしたか?
がんを告知されると、不安な気持ちから必死に情報を集めてしまいがちです。信頼できる情報をもとに、主治医とのコミュニケーションを大切にして、あなたに適した治療法や療養生活を選択しましょう。

看護師/医療ライター丸岡みどり

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