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【看護師監修】タイミング別 がん治療の不安と向き合い方

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がんの告知は、患者さんの心に大きなダメージを与えます。あまりに強いストレスに長い間さらされると、うつ病などのメンタル疾患につながるリスクも。この記事では、がん告知直後・治療中・治療後のそれぞれの段階において、不安と向き合う方法を紹介します。

がん告知の不安と向き合い方

いまや2人に1人ががんになる時代。とはいえ、告知された人の多くは「なぜ私が?」と戸惑うのではないでしょうか。強い感情やストレスから逃れるため、病気になった自分を受け入れられず、目をそらしてしまう方もいるかもしれません。

●ショックを受けて当然と考える

落ち込んでいる自分を受け入れる

まずは、自分がショックを受けて当然と考えましょう。病気の告知は人生の大きな変化であり、不安な感情が押し寄せるのは自然なこと。落ち込んでいる自分を受け入れて、許してあげてください。

●不安をひとりで溜め込まない

気持ちの共有

不安をひとりで抱え込むと、ストレスが強くなり、こころに負荷がかかります。自分のなかに溜め込まず、時には外に出してあげることが大切です。家族や友人に話を聴いてもらったり、主治医をはじめとした医療スタッフ、またはがん相談支援センターに相談するなど、信頼できる人と気持ちを共有してみましょう。

●気持ちを言葉にする

気持ちを言葉にする

不安や恐れを言葉にすることで、心のなかで抱えている感情に向き合えるようになります。心配な事柄を紙に書き出してみたり、治療や入院までにやるべきことをメモするのも良い方法です。言葉にすることで気持ちが少しずつ整理されるため、治療に向き合うきっかけになるかもしれません。

がん治療中の不安と向き合い方

がん治療中の不安は人によってさまざまですが、抗がん剤による副作用が身体や生活にどのように影響するのか、不安を感じる方は多いと思います。

●アピアランスケアをとり入れる

アピアランスケア

特に、女性であれば抗がん剤治療による脱毛の影響が、大きな不安要素のひとつではないでしょうか。アピアランスケア(外見ケア)を上手にとり入れることで、いつもと変わらない生活を送ることができます。

ウィッグ

たとえば、ウィッグやメイクアップなどで、外見の変化への不安をやわらげ自信を持つことができます。Masselを運営している医療用ウィッグのスヴェンソンでは、医師監修のもと制作された「脱毛・外見ケアマニュアル」を全国800の医療機関に配布。多くの患者さんや医療従事者にご利用いただいています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

●サポートグループに参加する

仲間と交流

治療中の不安や悩みを共有できるサポートグループなどに参加することも、心の支えになるでしょう。同じ体験をしている仲間と交流することで孤独感が軽減し、体験談を聞くことが治療に向き合うきっかけや参考になるかもしれません。

●自分なりの目標をもつ

アロマ

治療中は体力が低下しやすく、日常生活への影響も大きい場合があります。しかし、自分なりの目標をもつことで、前向きな気持を維持する助けになります。たとえば、アロマやヨガなどリラックスできる時間を持つといったような、とり組みやすい目標を設定し、少しずつ進めてみてください。

がん治療後の不安と向き合い方

がん治療が落ち着いた後は、うれしい気持ちの反面、再発や転移が気になるなど新たな不安が出てきます。

●患者さんの体験談を聴く

安心

治療中と同じく、がんの不安と向き合いながら、自分らしく生活している方の体験談を聴くのも不安を軽減するきっかけになります。実際に誰かと話すのが負担になる方は、このMasselにも、がん治療を体験した方のインタビューがたくさん掲載されています。他の患者さんがどのように不安と向き合い乗り越えてきたのかを参考にしたり、共感することで、未来への見通しがたち安心できます。

●頼れる場所を見つけておく

頼れる場所を見つける

いざというときに、頼れる場所を見つけておくことも大切です。特にひとり暮らしの方の場合、急に体調が悪くなったら…と不安に思うこともあるでしょう。

家族や友人以外にも、地域の民生委員の方などと日頃から関係性を築いておくのもひとつの方法です。また、がん治療が終わっても、がん相談センターや患者会などを活用することもできます。

がん治療による心のストレスはうつ病につながるリスクも

長期間強いストレスにさらされると、身体の回復力が低下し治療に影響をきたすこともあります。うつ病は、気分の低下や興味関心の喪失などを引き起こす精神疾患。何をしても気分が晴れず一日中絶望感が続いたり、今まで楽しめていたことが楽しめなかったりする場合、注意が必要です。うつ病の兆候に気づいたら、早めに医療機関に相談しましょう。

医師と相談

たとえば、がんに関連した心のケアを専門とする「精神腫瘍科」を設置している病院もあります。また、がん診療連携拠点病院にはさまざまな問題に対応できる緩和ケアチームがあるため、心の問題についても相談できます。

いかがでしたか?
がん治療は、重い不安が付きまとうもの。周囲のサポートを活用したり、アピアランスケアをとり入れたりしながら、不安と上手に向き合っていきましょう。

看護師/医療ライター丸岡みどり

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