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【看護師監修】こころと身体が揺れたとき「お休みする」5つのこと

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最近「身体が重い気がする」「なかなか心が晴れない…」と感じませんか?春から夏にかけては、こころに疲れが表れやすいタイミング。
この時期のこころの疲れは所謂「五月病」と言われますが、「五月病」と検索するとたくさんの対策が紹介されています。確かに「やること」は大事ですが、忙しい毎日のなかで、あえて「やらないこと(=お休みすること)」を決めてはいかがでしょうか?

春から夏にかけて、こころの疲れが出やすい時期

ゴールデンウイーク明けから6月頃にかけて、こころや身体のバランスを崩してしまった状態を「五月病(六月病)」と呼びます。春は新年度のはじまり。日常生活や気候の変化が重なる時期で、人間関係の変化がストレスになったり、季節の変わり目でホルモンバランスが乱れ、不安な気持が高まることもあるかもしれません。

がんに罹患すると、病気のことだけでなくお金や仕事、人間関係など悩みは尽きません。

さらにがんに罹患すると、病気のことだけでなくお金や仕事、人間関係など悩みは尽きません。考えすぎてこころが疲れてしまうと、身体の症状として現れることもあります。
たとえば、ストレスや緊張が高まると、「頭痛」や「首・肩のこり」として出現しやすいでしょう。また、「胃の痛み」など、消化器症状に現れることもあります。
身体からのサインは、こころの疲れに気づく重要なきっかけといえるのです。

症状を感じたときは思い切って「休む」

がん治療中の場合、だるさや倦怠感などから日常生活が送りにくいと感じることもあると思います。しかし、まわりの人に心配させまいと気丈に振舞ったり、スケジュールを無理やり立てたりしていませんか?

まわりの人に心配させまいと気丈に振舞ったり、スケジュールを無理やり立てたりしていませんか?

がん患者さんと接してきて、現実と向き合うことを避けるために忙しなく活動しようとする方や、逆にいつも病気について考え疲れてしまう…という方を多く見てきました。
がん治療はこころにも大きな負荷をかけています。無理に行動すると疲れがたまり、治療の効果が出にくかったり、回復力が低下するリスクも。自分の身体の声に耳を傾けて、ときには「お休みする」選択も大切です。

こころと身体が揺れたとき、お休みしたい5つのこと

最近「身体が重い気がする」「なかなか心が晴れない…」と感じるとき、あなたのこころと身体を守るためにお休みしてほしい5つのことについて紹介します。

●SNSを控える
SNSはがん患者さん同士での励まし合いや、副作用対策などの日常的な情報を共有する場としてはとても有意義です。ただ、同じ病気の人と比べて不安や焦りを感じたり、体験談を読んで自分の治療に疑問を感じたりすることもあるかもしれません。

SNSを控える

また、SNSで仲良くしていた友人の症状が悪化してしまった場合、ショックを受けやすいという面があります。自分の気持ちが不安定なときは、一時的にSNSを離れてみましょう。

●過度な情報収集を控える
がん治療は、個別の状況にあわせた複雑な判断を必要とします。ネット上には信憑性の低い情報も多く、大切な時間とエネルギーを消耗させます。結果的にストレスや疲れが強くなるリスクもあるでしょう。

過度な治療情報の収集を控える

過度な情報収集はお休みして、主治医など医療チームとのコミュニケーションをとり、的確な情報を得てください。あなたの身体のいちばんの理解者は、あなたとあなたを治療する医療者たちです。

●ニュースを見すぎない
テレビは視聴者の関心を惹きつけるため、感情に影響を与える映像やトピックを扱うことが多く、事故などのネガティブな内容がほとんどです。

ニュースを見すぎない

ネガティブな情報は、ストレスや不安を増強させるといわれています。テレビやニュースを見る時間を決めたり、ポジティブな内容に目を向けたりして、バランスよく付き合っていきましょう。

●カフェインを摂り過ぎない
カフェインを摂り過ぎると、睡眠の質が低下したり、リラックスしにくくなったりします。がん治療中の方は、充分な睡眠を確保することが重要です。良質な睡眠は、治療効果や回復力の向上によい影響をあたえます。

カフェインを摂り過ぎない

摂取したカフェインの半分が体内から排出されるまでに、2〜8時間かかります。個人差はありますが、夕方以降は控えた方がよいでしょう。とくに、寝る前のカフェインは寝つきの悪さや浅い睡眠につながりやすいため気をつけましょう。

●アルコールを避ける
抗がん剤治療中やその前後の場合、飲酒は避けましょう。抗がん剤治療中とは、治療が開始されてから完了するまでの全期間のこと。抗がん剤の投与日だけでなく、休薬している期間も含まれます。抗がん剤は、個々の患者さんに合わせて計算された量が処方されているからです。アルコールを飲んでしまうと、薬の効果に影響を及ぼすこともあるかもしれません。

アルコールを避ける

副作用が強くなったり、期待される治療効果が得られなくなったりというリスクもあります。どうしてもお酒を楽しみたいという場合、必ず主治医に相談しましょう。

いかがでしたか?
蒸し暑い季節は始まったばかり。こころや身体の不調を感じたときは、自分の体調に合わせて行動を調整しながら、ゆっくりお休みしてみてください。

看護師/医療ライター 丸岡みどり

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