抗がん剤治療では、抗がん剤を投与し始めてから副作用で脱毛の症状が生じます。このとき、地毛が回復するまでの期間に自然なヘアスタイルで過ごせるように、医療用ウィッグ(かつら)を着用される方が多いです。
抗がん剤治療における脱毛ケアは、「治療開始前」「治療中」「治療後」という時期に合わせて行います。投薬が始まると、あくまでも個人差があるものの投与から約1~3週間で脱毛が始まります。抗がん剤の投与が終わると、こちらも個人差がありますが約1~2カ月で発毛が始まるといわれています。この段階から地毛が伸びてヘアスタイルが成立するようになるまでの期間は、約1年半~2年間が目安です。
ここでは、こうした抗がん剤治療の流れに合わせて、時期ごとの脱毛ケアについて解説します。脱毛前後や回復中の注意点をお伝えするので、初めての治療の準備でぜひ参考にしてみてください。
CONTENTS
【抗がん剤治療開始前】の脱毛ケア
抗がん剤治療へ向けて医療用ウィッグを用意するなら、余裕を持って準備を進めましょう。購入するウィッグの種類にもよりますが、オーダー品は入手までに一定の時間がかかります。抗がん剤治療開始前から脱毛ケアに備えて行動するようおすすめします。
●医療用ウィッグの準備
抗がん剤による治療が決定したら、早めに医療用ウィッグの準備を始めましょう。脱毛前に医療用ウィッグを検討すると、治療前の髪型と比べつつウィッグを試着したり、調整したりできます。また、人によっては治療が始まると体調に変化が出やすくなり、ウィッグをじっくり選ぶ時間が取れない場合があります。余裕を持って準備に取り組むと、不安も軽減しやすいでしょう。
なお、ウィッグを用意するまでにかかる時間は、フルオーダーの場合で約45日が目安です。セミオーダーや既製品の場合、在庫状況によりますが一般的に即日~1週間で手に入ります。
●地毛をショートヘアにカット
抗がん剤治療が始まる前までに、地毛をヘアサロンでカットしておくことをおすすめします。カットすることで地毛と抜けた髪が絡まるのを防ぎやすくなるためです。カットする場合の長さの目安は、すっきりとしたショートヘア程度が適しているとされます。このとき、極端に髪を短くカットする必要はありません。
【ポイント】
治療前に地毛をカットするとき、短く切りすぎると抜け毛が衣服に刺さって処理が面倒になるため注意しましょう。抜けた毛が肌に刺さり、チクチクとした不快感が生じることがあります。適切な長さがわからない場合は、ヘアカットの前に専門の美容室でご相談ください。
【抗がん剤治療中】の脱毛ケア
抗がん剤治療中は、見た目と心のケアが必要です。抗がん剤投与開始後、約1週間~3週間で脱毛が始まります。ただし、こちらはあくまでも目安であり、脱毛の時期には個人差があることや、治療に用いられる抗がん剤の種類や量によっても異なることを押さえておきましょう。
また、抗がん剤の副作用による脱毛は、毛母細胞がダメージを受けるために起こると考えられています。髪・眉毛・まつ毛などの体毛が抜け落ちる一方、頭皮を清潔に保つケアも欠かせません。この時期の脱毛ケアの注意点をご確認ください。
●見た目と心のケア
これから抗がん剤治療を受ける方は、医療機関で担当医などの専門家から化学療法の副作用についてしっかりと説明を聞いているでしょう。そのため、ほとんどの方が治療後に脱毛が起こることをすでに知っています。それでも、実際に脱毛が始まるとショックを受けるケースが少なくありません。こうした理由から、外見の変化を補完して対策する「アピアランスケア」が重要なのです。投薬前に準備した医療用ウィッグのほか、メイクや医療用帽子などを活用しながら、自分らしく過ごすために見た目と心のケアをすることが重要だといえます。
●頭皮のケア
抗がん剤治療中で脱毛した状態でも、頭皮の皮脂は引き続き分泌されます。毛穴が詰まりやすい状態にあるので、適切な方法で頭皮ケアをすることが大切です。正しい方法でシャンプーを行い、頭皮を清潔に保つよう心がけましょう。ただし、抗がん剤治療中は頭皮や肌が敏感になっているため注意が必要です。デリケートな頭皮には、低刺激性の頭皮ケアシャンプーのような、抗がん剤治療中に使いやすいアイテムでお手入れするようおすすめします。
【ポイント】
脱毛中や発毛中は、医療用ウィッグのサイズ調整が必要です。脱毛中は毛量が減って頭のサイズが1cm~2cm小さくなるので、ウィッグがゆるみやすくなります。その反対に、発毛中は毛量が増えて頭囲のサイズがアップし、ウィッグがきつくなる可能性があります。このように、頭囲の変化でゆるみやきつさを感じたら、速やかに購入店へ問い合わせて調整してもらいましょう。
【抗がん剤治療後】の脱毛ケア
抗がん剤の投与が終わると、あくまでも個人差があるものの、約1カ月~2カ月で発毛が始まります。地毛は、1カ月で約1cmずつ回復していくと考えられています。このペースで髪が伸びると、ショートヘアになるまでにかかる期間は約1年半~2年です。抗がん剤治療中と同様に、適切な方法で毎日の洗髪やお手入れをしながら、元のヘアスタイルに近づくまで正しいケアを続けましょう。
地毛の回復中は、頭皮を清潔にするケアに加えて、頭皮マッサージなどの頭皮環境を整えるケアを続けるのがおすすめです。また、自然なヘアスタイルができるようになるまでの期間も、自分らしくおしゃれを楽しむために工夫してみましょう。たとえば、医療用ウィッグのほか帽子やバンダナを使って髪型をカバーする方法があります。部分ウィッグ(ヘアピース)を使って気になる部分のボリュームを調整しても良いでしょう。抗がん剤治療の経過に合わせて、ぜひ便利なアイテムを活用してみてください。
【ポイント】
抗がん剤による治療後は、髪の毛の毛質が変化したり、肌が刺激に敏感になったりする場合があります。そのため、治療後に頭皮マッサージやヘアカラー 、パーマの施術を受けるときは、あらかじめ専門の方に相談したり、薬剤を使用するときはパッチテストを行い、肌に赤みやかゆみがないか確認しておきましょう。地肌がデリケートな状態になるため、慎重に対応することが大切です。
抗がん剤治療中は脱毛ケアを…
今回は、抗がん剤治療の流れに合わせた時期ごとの脱毛ケアをお伝えしました。がん治療の予定が決まったら、早めに医療用ウィッグをご用意することをおすすめします。また、脱毛前には適度に地毛を短くカットし、脱毛後も引き続き頭皮のケアを続けていくことが大切です。地毛が回復して自然なヘアスタイルができるようになるまでには、長い時間がかかります。医療用ウィッグのほかに、必要に応じて部分ウィッグ(ヘアピース)などのアイテムを活用しながら、おしゃれなヘアスタイルを楽しみましょう。
医療用ウィッグの専門店レディススヴェンソンでは、抗がん剤治療にともなう脱毛・発毛の経過に合わせたケアを提供いたします。直営サロンに個室の美容室を完備しているので、地毛が回復するまでの時期にも人目を気にすることなく施術を受けていただけます。直営サロンでのカットやシャンプーをはじめとして、幅広いお悩みをサポートできるのが魅力です。初めて医療用ウィッグをご利用になるお客さまにもおすすめします。地毛が回復して自然なスタイルができるようになるまで手厚くサポートいたしますので、まずは無料カウンセリングでご相談ください。
レディススヴェンソン店舗へのご来店やオンラインカウンセリングは、以下のページからご予約いただけます。これから脱毛ケアを始める方は、どうぞお気軽にお申し込みください。
また、医療用ウィッグの無料Webカタログをご用意しています。豊富なラインナップの中からお好みのヘアスタイルを探してみましょう。