抗がん剤治療や脱毛症による脱毛をカバーするときは、「医療用ウィッグ」が用いられます。医療用ウィッグとは、病気や治療にともなう見た目の変化をケアする目的で使われるウィッグのことです。
ウィッグとよく似た用語の一つに「かつら」が挙げられますが、ウィッグもかつらも同じアイテムを指しています。
このほかに、医療用ウィッグとよく似たアイテムとして「ファッションウィッグ」が挙げられます。ファッションウィッグとは、おしゃれ用に使われるウィッグのことです。あくまでもおしゃれなヘアスタイルや髪色を楽しむことが主な目的であり、医療用ウィッグとは用途に大きな違いがあります。
病気や治療による脱毛をカバーするウィッグをお探しの方は、高品質な医療用ウィッグをお選びいただくと、日々を安心して快適にお過ごしいただけます。また、医療用ウィッグは長期間にわたり使い続けることを前提として選ぶことが大切です。この記事では、購入前に知っておきたい医療用ウィッグの基礎知識をご紹介します。
CONTENTS
医療用ウィッグの基礎知識
最近は通販サイトでも手軽にウィッグを入手できるようになり、ウィッグが身近なアイテムとして知られるようになりました。しかし、ウィッグにはさまざまな種類があるからこそ、脱毛をカバーしたいときにどんなウィッグを選ぶべきか迷ってしまうこともあるでしょう。まずは、医療用ウィッグの基礎知識をご紹介します。
●医療用ウィッグとは
医療用ウィッグとは、抗がん剤治療中に脱毛した方や、脱毛症でお悩みの方が使用するウィッグのことです。病気や治療による脱毛をカバーするのが主な目的であり、着用することで地毛に近い自然な見た目を実現できます。外見の変化で生じるストレスを軽減して、生活の質を高めることが可能です。
なお、一般的に「ウィッグ」という用語は薄毛部分をカバーしたり、髪型や髪色を変えたりするために利用されるアイテム全般を指します。その語源は「自然な頭髪」を意味する「Periwig(ペリウィグ)」という言葉だとされています。
●医療用ウィッグとファッションウィッグの違い
医療用ウィッグには脱毛をカバーする目的があるのに対して、ファッションウィッグはおしゃれを楽しむのが主な目的です。そのため、医療用ウィッグは脱毛前の地毛の状態に近い自然な見た目になるように作られています。また、医療用ウィッグは日常生活で長時間にわたり着用する機会が多いため、締めつけが気にならない設計となっていたり、蒸れないように通気性を高める構造になっていたりします。このように、見た目が自然で長時間の着用でも疲れない工夫がなされている点が、ファッションウィッグとの大きな違いだといえるでしょう。
このほかにも、医療用ウィッグの中には抗がん剤治療による脱毛や発毛に合わせてサイズ調整を行えるタイプのものも存在します。治療中は毛量の変化にともない頭髪のボリュームが変化するので、ウィッグのサイズ調整が必要です。ウィッグによっては細かなサイズ調整が可能な製品もあるため、毛量が変化しても常に快適に着用していただけます。
医療用ウィッグの2つの認証マーク
・JIS規格
医療用ウィッグおよび付属品に関する外観や性能、試験方法を定めたものです。消費者が治療中の敏感な頭皮でも安心して着用できる品質の製品を見分ける際に役立ちます。(規格番号 No.JIS S 9623)
・M.Wig(エム・ウィッグ)
医療用ウィッグ製品につけられる認証マークです。アレルギーのパッチテスト、遊離ホルムアルデヒドのチェック、洗濯堅ろう度、汗堅ろう度などの一定の基準を満たした製品につけられます。
医療用ウィッグの専門店レディススヴェンソンのウィッグは、「JIS規格」および「M.Wig(エム・ウィッグ)」に適合しています。
医療用ウィッグの種類
市販の医療用ウィッグは、形状・毛材・製法・ヘアスタイルなどさまざまな違いがあります。自分に合うウィッグを見つけるために、それぞれの特徴をチェックしてみましょう。
●形状
医療用ウィッグの形状には、大きく分けて「オールウィッグ」「ヘアピース(部分ウィッグ)」「エクステ」の3種類があります。オールウィッグとは、頭部全体を覆うタイプのウィッグです。ヘアピースは、頭部を部分的にカバーするタイプのウィッグとなります。エクステは、地毛に装着して長さやボリュームを出すタイプのウィッグです。脱毛の状態やカバーする範囲、地毛の状態に応じて使い分けるとよいでしょう。
●製法
医療用ウィッグの製法には、大きく分けて「フルオーダー」「セミオーダー」「既製品」の3種類があります。フルオーダーは、ウィッグの髪色・毛量・毛の長さを全て希望に合わせてオーダーメイドで作るのが特徴です。セミオーダーは、まずベースとなるウィッグを選び、好みに合わせてカットやサイズ調整を行って作ります。既製品は、初めからヘアスタイルが完成された状態で販売されています。より自然な印象に仕上げるなら、自分に似合わせて仕上げられるフルオーダーやセミオーダーがおすすめです。
●毛材
医療用ウィッグの毛材には、天然素材を特殊加工した「人毛」、化学繊維から作られた「人工毛」、人毛と人工毛を組み合わせた「ミックス毛」の種類があります。人毛は自然な見た目で、地毛に馴染みやすいのが魅力です。人工毛は人毛と比べると低価格で、スタイルが崩れにくいという特徴があります。ミックス毛は両者のメリットを兼ね備えていて、メーカーによって配合の割合が異なります。人毛と人工毛それぞれの長所を生かした配合のウィッグを選ぶのがポイントです。
●ヘアスタイル
医療用ウィッグには、髪の長さやヘアカラーなどのスタイルの選択肢が豊富です。たとえば、ロングスタイル・ミディアムスタイル・ショートスタイルなど髪の長さに多くのバリエーションが用意されています。また、同じショートスタイルの中でもボブからハンサムショートまで幅広い髪型が用意されています。カラーバリエーションも黒髪・茶髪・グレイヘアなど多様です。一般的に、自然な見た目に仕上げるために、地毛のヘアスタイルに近いウィッグを選ぶ人が多いといえます。
医療用ウィッグを購入するタイミング
抗がん剤治療の予定が決まったタイミングで、余裕をもって医療用ウィッグの準備を始めましょう。治療前のタイミングで購入すれば、元の髪型とウィッグを比較して仕上がりをイメージしながら、商品を試着することができます。あくまでも個人差がありますが、一般的には抗がん剤の投与が始まってから10~20日程度で脱毛が始まります。可能であれば、早めに準備をして地毛と見比べながら自分好みのウィッグを探したり、注文したりするのがおすすめです。
医療用ウィッグの使用期間の目安
医療用ウィッグの使用期間は、あくまでも個人差がありますが約1年半~2年が目安です。抗がん剤治療中は、地毛の毛量の変化に合わせてウィッグのサイズ調整が必要となります。脱毛前に購入したウィッグは、脱毛により頭囲のサイズが小さくなるため緩くなります。その反対に、治療が終了して髪の毛が生え始めると、頭囲のサイズが大きくなりウィッグがきつくなるのです。このように毛量が変化することを踏まえて、サイズ調整に対応できるウィッグを選びましょう。
抗がん剤治療の流れと毛量の変化については、以下の関連記事で詳しく解説しています。ウィッグ購入後の対応について事前に確認し、不安を解消しておきましょう。
抗がん剤治療における脱毛ケアのポイント|投薬前~後の注意点とは
レディススヴェンソンの医療用ウィッグの特徴
レディススヴェンソンの医療用ウィッグは、ほとんどのラインナップがJIS規格に適合し、安心してお使いいただけます。ここでは、高品質で快適に着用していただける、医療用ウィッグの特徴をご紹介します。
●快適さ・自然さを細部まで追求
レディススヴェンソンの医療用ウィッグは、ネットキャップが深めの安定構造です。着用中に浮いたりズレたりする不安を解消し、安心してお使いいただけます。軽量で通気性が良い特殊ネット素材を採用することで、長時間着けていても疲れにくく、常に快適な着け心地を実現。治療中の敏感な頭皮にも安心です。
また、レディススヴェンソンの医療用ウィッグは、おしゃれで自然な見た目も魅力です。人毛と人工毛を独自に組み合わせることで、自然な毛質に近づけています。つむじや分け目部分には、まるで地肌のような質感の人工皮膚を採用しています。自然さを細部まで追求した製品です。(※)
セミオーダーやフルオーダー(オーダーメイド)のウィッグなら、スタイリストによるカットやスタイリングで、より自然で似合うようお作りできます。直営サロンで理想のスタイルを叶えられるため、お気軽にご相談ください。
※製品により仕様が異なります。個別のウィッグの素材については、店頭でご確認ください。
●JIS規格に適合
レディススヴェンソンの医療用ウィッグは、治療中の敏感な頭皮にも安心して着けられる品質と認められています。2015年6月に指定検査基準をクリアし、「JIS 自己適合宣言」を行いました。当店のほとんどのラインナップがJIS規格に適合しているため、医療用のウィッグをお探しの方も安心してご利用ください。
●アフターフォローのサービスが充実
レディススヴェンソンでは、お客さまの抗がん剤治療が始まってからウィッグを卒業するまで、長期間にわたり丁寧にサポートいたします。初めてウィッグを購入されるお客さまには、ウィッグを上手に着けるコツやご自宅でのお手入れ方法をわかりやすく何度でもご説明します。
さらに、毛量の変化に合わせて無料でサイズ調整に対応可能です。手縫いによる細かな調整 ※で、いつまでも快適にフィットする状態をキープ。ウィッグに関するサービスだけでなく、治療の状況に応じて必要となる頭皮・頭髪のケアを、専門のスタッフに相談できる環境も整っています。
※ウィッグ製品によって、ご自身で調整するアジャスタータイプのものもございます。
医療用ウィッグに関するよくある疑問
最後に、医療用ウィッグに関するよくある疑問とその回答をご紹介します。医療用ウィッグを購入する際はぜひ参考にしてみてください。
Q1. 医療用ウィッグの購入方法は?
医療用ウィッグは実店舗や通販で購入できます。店舗ではウィッグの実物を試着してから購入することが可能です。通販では手軽な価格帯のウィッグまで幅広く探せます。
Q2. 医療用ウィッグは購入費用の補助を受けられる?
自治体によっては、医療用ウィッグの購入費用を助成する制度が用意されています。助成金を利用するためには、「抗がん剤治療を受けている」など一定の条件を満たす必要があります。詳しい条件や手続きは各自治体のサイトでご確認ください。
医療用ウィッグの助成金について詳しくはこちらの記事をチェック
Q3. 医療用ウィッグのメンテナンスの方法は?
・ミックス毛
ミックス毛のウィッグは、人毛・人工毛のウィッグと同様にお手入れできます。毎日の使用前・使用後にブラシで軽くとかして、定期的にシャンプーで水洗いしましょう。その際、ドライヤーを使用すると毛材を傷めるおそれがあるため、タオルドライと自然乾燥のみで乾かすのがポイントです。
ミックス毛の医療用ウィッグの詳しいお手入れ方法はこちらから
・人毛
人毛ウィッグの日常のお手入れでは、使用前にブラシで軽くとかしてスタイルを整えましょう。また、使用後はえり足や額の内側の髪に霧吹きで水をかけてからブラシで軽くとかします。定期的なお手入れでは、専用のシャンプーを使ってウィッグを水洗いします。
人毛の医療用ウィッグの詳しいお手入れ方法はこちらから
※ウィッグ製品の仕様によって扱い方が異なる場合がございます。詳しくはご購入の店舗にお問い合わせください。
医療用ウィッグは安心して使い続けられる品質が重要
ここまで、医療用ウィッグの基礎知識をご紹介しました。医療用ウィッグは、病気や治療による脱毛をカバーする目的で用いられます。そのため、頭皮が敏感な状態でも安全に使用できる、品質の高い製品を選ぶことが大切です。高品質な製品を見分けるためにも、「JIS規格」や「M.Wig」を一つの目安にしてみましょう。なお、医療用ウィッグの専門店レディススヴェンソンの製品は、ほとんどのラインナップがJIS規格に適合しています。
レディススヴェンソンでは、高品質な医療用ウィッグと、お客さまに安心してお使いいただくための幅広いサポートを提供しています。初めて医療用ウィッグを購入される方も、直営サロンで受けられるサービスをぜひご活用ください。ウィッグに関する疑問や不安を解消するために、専門のスタッフが丁寧にフォローいたします。お客さまからのお問い合わせをお待ちしております。