乳がん手術後、下着はどうすればいいんだろう?専用の下着はどうやって選べばいい?一般的なブラは使えないの? お悩みの方も多いと思います。術後の下着については、意外と情報が少ないもの。今回は乳がん手術後の下着の役割や選び方についてお届けします。
乳がん手術後だからこそ、専用の下着を
乳がん手術後は傷や体調の変化もあり、これまで使っていたワイヤー入りのものや胸をしめつけるタイプのブラは、痛みやむくみの原因になってしまうことがあります。また、手術直後は腕が上がりにくい、背中に手をまわしにくいということもあるため、後ろでホックをとめるタイプのブラは着けるのが難しいかもしれません。
乳がん手術後の下着には、一般的なブラや下着とは異なる役割があります。
どんな役割を持っているか、それぞれ見ていきましょう。
● 手術した部位を守る
子どもやペットを抱いたり、物を抱えたりするとき、胸に衝撃を与えてしまうことがあります。
そのとき下着やブラに付いているパッドがクッションとなり、守る役割をはたします。
● 手術した部位を保温する
切除された部位は皮下脂肪が少なく、寒さを感じやすくなります。寒さにより痛みに敏感になることもあるため、適度に保温することが大切です。
● 外見を整える
手術後、選ぶ洋服によっては胸の左右差が目立つこともあります。専用の下着やブラにパッドを入れることで、シルエットを整えることができます。
● 左右のバランスを整える
乳房の重みに左右差があると、ふらついたり、姿勢が崩れて肩こりの原因になることも。左右の重さを調整し、身体のバランスを整えます。
一般的なブラや下着との違い
乳がん手術後の下着と一般的なブラや下着、何が違うんだろう?と思っている方も多いのではないでしょうか。専用の下着は手術した部位を守ったり、ボディイメージを整えたり、身体に負担がかかりにくい工夫がされています。
治療内容や時期によっても適した下着は異なりますが、一般のブラや下着とは違いがあるということを、知っておいてくださいね。
ブラとあわせて活用したいのがパッド。
一般的なブラに使用されるパッドはかたちや大きさを整えるために使いますが、術後用のパッドは「手術したところを保護・保温する」「ボディイメージを整える」「身体のバランスを整える」という役割があります。パッドにはシリコンや綿、ウレタン、スポンジ、ジェルなど種類があります。身体の回復にあわせて、かたちや重さを選んでいきましょう。
手術後の状況にあわせて、ブラを選ぼう
手術直後〜回復するまで、傷や体調は変化します。ブラやパッドもそのときの状況によって、フィットするものが異なるので、様子をみながら心地よいと感じるものを選んでください。
● 手術後〜腫れや痛みがやわらぐまで
手術直後はノンワイヤーのもので、しめつけや縫い目のないブラを選びましょう。また、腕の可動域が狭まる場合があるので着脱がラクな前開きがおすすめです。パッドが着脱できるタイプは、術後はパッドなしで、手術後はパッドを入れて使用することができます。
手術直後から使える前開きのソフトブラ。肌ざわりのよい最高級の綿を使用。縫い目はすべて表側にあり、安心して使えます。プラスチックのスナップどめで、検診時やレントゲン時も便利です。
● 腫れや痛みが落ち着いたら
術後と同じく、ノンワイヤーのもので、しめつけや縫い目のないものを選ぶと安心です。腕が動く方は、この時期から背中でホックをとめるタイプもOK。パッドが着脱できるものは、手術前の下着にパッドを組み合わせて使うこともできます。
ゆったりとしたつけ心地の補正タイプのブラジャー。カップはふんわりとした素材で、肌面は綿100%。ノンワイヤーでやわらかストレッチテープを使用。身体の動きに優しくフィットします。
●パッドの選び方
素材やかたち、重さなど術後の状態にあわせて必要なパッドも異なります。治療段階によって組み合わせが変えられる、万能パッドもありますのでぜひチェックしてください!
パッドカバー、ジェルパッド、ウレタンパッド、綿パッドの4点セットからなる、マロン型パッド。手術直後〜退院後まで、身体の状態にあわせて使い分けられ経済的です。
マロン型パッド ¥3,410〜¥6,050(税込)
●通院・検診時
診察や検査の際、さっと着脱できる前開きインナー(下着)があると便利!キャミソール、タンクトップ、長袖…お洋服や季節にあわせて用意しておくと心強いです。
いずれもブラ代わりになるカップ付き、ゆったりとした前開きインナー。それぞれ快適に着用できる工夫がこらされています。
カップ付き前開きタンクトップ ¥4,367〜¥4,642(税込)
カップ付き前開きキャミソール ¥4,367〜¥4,642(税込)
カップ付き前開きインナー(長袖) ¥5,060〜¥5,335(税込)
今回は乳がん手術後の下着の選び方についてお届けしました。一人ひとり身体の状態によって合う下着は異なりますが、選択肢として知っていただければ嬉しいです。
術後を少しでも快適に過ごせますように。
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