~ がん患者さんの生活に役立つ情報 ~

Massel

~ がん患者さんの生活に役立つ情報 ~

ライフスタイル密着取材 NAOJIさん

お気に入り

プロフィール

兵庫県在住。妻と娘2人との4人暮らし。精神科病棟の薬剤師として勤務しながら僧籍を取得。神戸市で患者サロンを運営する「がん患者グループ ゆずりは」の代表でもある。
取材時/胃がん。手術→放射線を経て、経過観察中

ライフスタイル密着取材 NAOJIさん

がん経験者であり僧侶であり、医療者。自分の人生を楽しみながら過ごしたい

NAOJIさん

患者になった事実を持つ自分の人生を「楽しむこと」を心がけながら生活しています。医療者として、僧侶として、同じ患者として、みなさんと関わる時間が私にとっての楽しむことにつながっています。
最近は患者会の代表をしているので企画を練ったりレポートを書いたり、講演依頼も増えてきて忙しくしています。

ステージⅢの胃がん。治療による生活の変化

調剤するNAOJIさん

46歳の時に身体の芯を掴まれているような感覚があって「おかしいな?」と思いました。逆流性食道炎を経験していたので「またかな?」くらいにしか思ってなかったけど、胃がんでした。
検査して2週間後に入院して、開腹手術を受けたら転移が見つかって…初期だと言われていましたがステージⅢでした。
それまでは普通に生活していたのに、告知の一瞬を境にして、置かれた状況がガラッと変わってしまうことを体感しました。
手術後は食べられなくて低血糖になりながら、ビスケットと飲み物を持って、妻と家の周りを散歩してリハビリしました。抗がん剤もしたけど、手術後だったからそんなにキツいものはしていません。
手術から2ヵ月後に退院して職場復帰。胃と食道を切除した影響で晩ごはんの時間が遅いと具合が悪くなってしまうので、今でも早めに帰宅するようにしています。
罹患して8年経っているから、周りからは「もう安心ですよね」って言われることが多いですが…そんなもんじゃない。
いまの生活が不安定な足元の上に成り立っていることを意識しながら、日々の暮らしを充実させようと、懸命に生きています。

治療中に僧籍を取得。興味のあった仏教の道へ

NAOJIさん

知っているお坊さんで、考え方が好きな人がいたんです。病気が分かって、先は長くないかもしれないという現実を意識した時「あの人みたいに仏教を勉強しておきたい」って思いました。
今まで何とはなしに説法とか聞いてきたけど、きちんと勉強して内容を理解したいって思った…それがキッカケでした。
僕の死生観は一般的なものと少し違うのかもしれませんが…僕らが本来いた場所は向こう(あの世)であって、向こうからこの世にやってきて、いつか還る。
病気になったことを含めた人生を意味づけするため、時間を頂いているのだと思っています。お坊さんになったのは、布教するためでも、極楽に行きたいからでもない。
「がんになった意味を変えて生きたい」と思ったから、僧侶になったのかなぁと思います。

伝えたいのは「生き方は選べる」ということ

院内を歩くNAOJIさん

病気になった事実は変えられないけれど「生き方を自分で選ぶこと」はできる。それを信じて、自分らしい生き方を探してみたらいかがでしょうか。
もし迷いかけたら、自分以外の考え方に触れてみるのも一手です。患者会などのコミュニティに参加してみてください。
僕もそうですが病を持ちつつ懸命に生きる人たちの言葉から色々なことを教わり、自身の生き方を見つけられる道に近づくかもしれませんよ。

取材時/2015年12月

人気記事ランキング

特集