~ がん患者さんの生活に役立つ情報 ~

Massel

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ライフスタイル 密着取材 KANAKOさん

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プロフィール

夫と3人の子供たちと5人暮らし。子育てや家事をしながら、がん哲学外来カフェを地域に定着させるべく、医療者と協働で立ち上げに奮闘中。
取材時/乳がん。手術→抗がん剤→放射線を経て経過観察中。

少しの違和感から「念のため」の検査でがん発覚

普段は専業主婦なので、朝起きたらお弁当を作って家族を見送ります。

末っ子の幼稚園のお迎えの時間まで家事をして過ごしますが、週に1回程度はママ友とピラティスに行ったり、ランチしながら他愛もないことをしゃべったりします。

食生活は子供が産まれてからは地元で採れる野菜中心の食事をしていますが、お肉もお魚も大好き。子供にはあまりお菓子は与えないようにして、自分も食べないように生活しています。

味覚障害は刺激のあるもので乗り切る!

術後に抗がん剤をしていた時期です。食欲も落ちて痺れもあったし、洋服が肌に擦れるのも痛くて口内炎も酷かったです。
食べられなくて、最初は栄養補給のゼリーを飲んでたんですけど、味を感じられなくなってからは嫌になって。 口の中で刺激だけはわかるので、春雨スープの坦々麺をよく食べていました。
あと氷をよく舐めてましたね。本当に辛いときは寝込むほどで、精神的にも不安定になりました。
再発で死に近づく恐怖より、また抗がん剤をやらなきゃいけない恐怖の方が勝ちますね。

家族のお荷物になっていないか、悩んだ時期も

治療が決まった直後に、子供たちにも「ママ、病気で手術するから入院するね」って伝えました。ハッキリ病名は伝えてないけど、何となくわかってるみたいでした。 
下の子はまだ幼稚園だし、一緒にお風呂に入れば手術跡を見たり、生活していても抗がん剤で髪が抜けたりするので隠せないですよね。
何か直接言ってくることはない代わり、普段何気ない話をしていて泣き出したりすることはありました。こっちの想いを感じるんでしょうね。
病気になってしばらくして、長男(中学生)と長女(小学生)の担任から「お子さんしっかりしましたね」って言われました。私には言わないけど思うところはあったんでしょうね。
子供たちは上手に感情をコントロールしたりできないし、辛いとか悲しいとか、本来は一番言えるはずの親に、言えない状況になっている。
申し訳ないと思いますが、いつか「あの時は辛かったな。悲しかったな」って吐き出せる相手を見つけて欲しいなと思います。

主人はちょっとだけ家事を手伝ってくれるようになったかな(笑)すごく仕事が好きで情熱を注いでるのを知ってたので、治療中に私が具合悪そうにしていても逆にまったく気を遣ってくれなくて、それが嬉しかったです(笑)

彼がやりたいことを犠牲にしていたら、私の方が自分を責めていたでしょうね。みんなの負担になってるんじゃないかって、すごく考えた時期もありました。
主婦としてずっと家事だけやってきて「家事ができなくなっちゃったら私、生きてる意味ないよね」って思ってしまっていたと思います。

生きていくことを見直すキッカケになった療。その先にあるもの

病気になってしんどかったし、辛かった時期もありましたけど、生きていくことを見直す忘れられないキッカケになったと思うんです。
「ちゃんと生きよう」って24時間テレビとか見て、思うじゃないですか。
でも1時間後、1週間後には、その気持ち忘れてますよね。
病気になって命には終わりがあるって事実を突きつけられて、今本当に「ちゃんと生きよう」と思える。それから、病気のおかげで色んな人に出逢えました。
ずっと誰かの役に立ちたいと思っていたんですけど、乳がん患者として声をあげていくことで、私にも何か出来るんじゃないかって思うようになったんです。
患者会をやろうと思ったのも、その1つです。限りある時間をこうやって使っていけるのが嬉しい。
普通の主婦生活を変わらずしているよりも、こうして取材を受けたり誰かのために発信していけることも、良い経験をさせていただいていると思います。
そんな活動を始めるようになって変わったことは、思ったことを相手にすぐ伝えるようになったことです。子供たちに「大好き」って伝えたり、悪いことしたと思ったらすぐ謝ったり。
時間がもったいないって思うようになったかな。

いま、がんと向き合う患者さんに伝えたいこと

抗がん剤治療はしんどかったけど、始まってしまえば終わりは絶対に来る。周りに八つ当たりしても泣いてもいいから、ちょっとでも快適に過ごして、1日1日をやり過ごして欲しいです。
遠くのゴール(治療終了日)を目標にしちゃうと落ち込んじゃうから、少しずつ時間が過ぎてくのを待つしかない。
待つしかないけど、必ず過ぎてくから大丈夫ですよって伝えたいです。あと「誰の役にも立てていない」とか「自分はお荷物なんじゃないか」って思ってしまう時も、無駄なことは何もないって伝えたいです。
その経験を含め、誰かの役に立つときが絶対来ますから。

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