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【看護師監修】抗がん剤治療を始める前に知っておきたい、外見ケアのこと

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本格的な夏が訪れ、日に日に日差しの強さが増してきました。夏は長いお休みや楽しい予定がある方も多いと思いますが、これから抗がん剤治療を控えている方にとっては、副作用による外見の変化に対する不安が、こころに重くのしかかっていませんか?

今回は、抗がん剤治療を始める前に知っておきたい「外見ケアの必要性」について紹介します。具体的な対処法も紹介しますので、ぜひ一緒に考えていきましょう。

アピアランスケア(外見ケア)とは?

アピアランスケアとは、抗がん剤治療による外見の変化にともなう苦痛をやわらげるためのケア方法のことです。国立がん研究センターや厚生労働省が、ガイドライン作成や情報提供を行っています。

アピアランスケアとは

抗がん剤治療の副作用として多いのは、脱毛やお肌の変色などです。アピアランスケアは、ウィッグやメイクアップなどの方法を通して、患者さんが外見の変化に対処できるようにサポートします。

アピアランスケアの目的は、必ずしも「治療前と同じ外見を保つこと」ではありません。大切なのは、自分らしさを実感できるようになることです。

抗がん剤治療前にアピアランスケアを知ってほしい2つの理由

抗がん剤治療をはじめる前に、アピアランスケアについて知っておくことがなぜ重要なのでしょうか?その理由について解説します。

外見の変化によるストレスの軽減
女性にとって、外見が変わることは思った以上にストレスになります。「自分ではない」と感じたり、他人の目を気にしたりしながらがん治療を続けることは、こころに大きな負荷がかかり、前向きに治療に取り組めなくなる要因にもなります。

外見が変わることは思った以上にストレスになります

たとえば、自信のなさから「今までどおり友人とつき合えないのでは?」と不安に思うことや、周囲の人に病気を知られることで「かわいそうな人だと同情されるのでは?」と心配になるかもしれません。
対等な関係性を維持できなくなるかもしれない…と考えてしまうのはつらいことです。

安心してがん治療にのぞむ

抗がん剤治療前にアピアランスケアを知って対処することで、自己肯定感の低下を防ぎ、不安やストレスを軽減することで、安心してがん治療にのぞむことができます。

仕事など社会生活上の影響をやわらげる
今までどおりの日々を過ごせるかどうかは、抗がん剤治療をしていくうえで大きな問題といえます。外見が変化すると、まわりの人から余計な注目をあびたり、病気のことを質問されたりなど、わずらわしい思いをすることもあるからです。

仕事など社会生活上の影響をやわらげる

アピアランスケアをすることで、職場やご近所づきあいなど社会生活を送るうえでのストレスを軽くすることができます。気兼ねなくコミュニケーションをとりながら、がん治療中でも自分らしく社会生活を送れるでしょう。

抗がん剤治療中も自分らしく!アピアランスケアの具体的な3つの方法

抗がん剤治療中も変わらない生活を送るために、アピアランスケアの具体的な方法について紹介します。

脱毛
抗がん剤治療の副作用で脱毛する場合、薄毛から全脱毛まで、人によって症状に差があります。脱毛しない抗がん剤もあるため、まずは主治医に確認してみてください。

脱毛

まずは、ウィッグを準備しましょう。選ぶときに多くの方が気にすることは「自然さ」です。「自然さ」は毛材やスタイルなどウィッグ自体の質はもちろん「似合っているかどうか」で大きく左右されます。

ウィッグの準備

ウィッグ販売店にお気に入りのヘアスタイルの写真を持参して相談してもよいですし、治療前の髪型をウィッグで再現することも可能です。スヴェンソンなどの専門店では、抗がん剤治療をする前に行くと「脱毛前の準備カット」サービスもあります。

治療前の髪型をウィッグで再現

また、自分の予算の範囲でウィッグを選ぶことも大事です。ネット通販で安価に購入できるものから、好きな髪型を再現しやすいセミオーダー、自由に髪型・髪色を指定できるフルオーダーまであります。

ウィッグ

着け心地については、感じ方に個人差が出るところ。ぜひ体調に影響がない治療前に試着して自分が心地よいと思ったウィッグを選んでください。仕事などで毎日着ける予定の方は、特に試着してからの購入がおすすめです。

●スキンケア
抗がん剤治療中は「清潔・保湿・保護」の3つのスキンケアが基本です。
洗顔や入浴については、お肌をこすらないようにやさしく汚れを落とします。やわらかいタオルで軽く押し当てるように水分を拭き取るとよいでしょう。

スキンケア

保湿については、乾燥を避けるためたっぷり保湿剤をつけます。ニキビ用の化粧水などはアルコール分が多く含まれているため、おすすめできません。
外出時には紫外線からお肌を保護することもポイントです。日中に外出する場合は、日焼け止めを塗ったり、日傘をさしたりして対処しましょう。

抗がん剤治療中の肌乾燥や日焼け対策については、こちらでも特集しています。

メイクアップ
抗がん剤によっては、お肌の色がくすんだり、発疹が出たりすることもありますが、こうしたお肌のトラブルはメイクでカバーできます。

お肌の黄くすみには、オレンジ色の化粧下地を塗ることで明るく見せられます。チークやリップは、顔色がよく見えるので、ぜひ活用しましょう。自分の肌になじむ色が自分で選べない場合は、化粧品売り場の販売員さんに相談するのもおすすめです。

メイクアップ

また、髪の毛と同じく眉毛も脱毛します。先に眉を描く練習をしておくと、あわてずに済むでしょう。脱毛前の写真を撮影しておき、自分の自然な眉の形をチェックできるようにしておくと安心です。

眉毛・まつ毛の脱毛に使えるアイテムについては、こちらでも特集しています。

いかがでしたか?
まだまだ暑い夏は続きます。ぜひ、あなたらしい毎日を送るために、アピアランスケア(外見ケア)の準備をはじめましょう。

スヴェンソンでは、医師の監修のもと制作された「脱毛・外見ケアマニュアル」をご用意しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

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