がん治療による肌トラブルは様々で、乾燥や色素沈着などが代表的です。特に乾燥の症状は、かゆみやひび割れ(痛み)などが生じると日常生活に支障が出る場合もあります。
今回は、この時期ならではの寒暖差で肌荒れやかゆみが起きてしまったときの対処法と、改善していくためのスキンケアについてご紹介します。
がん治療中に起こりやすい、乾燥・かゆみの原因
抗がん剤は細胞分裂の速い細胞に作用しやすいため、新陳代謝の盛んなお肌(表皮)も影響を受けてしまいます。表皮がダメージを受けると角質層が薄くなって皮脂腺や汗腺の分泌が抑えられ、乾燥やかゆみ、ひび割れなどの皮膚障害を引き起こすのです。
また、皮膚が乾燥すると外部の刺激から守る「バリア機能」も弱まるため、赤いブツブツや斑点などの皮膚炎も生じやすくなります。
抗がん剤治療だけでなく、放射線治療の副作用でも皮膚障害が生じます。放射線は皮膚を通過してがんの細胞まで届きますが、このときに皮膚の細胞や皮脂腺、汗腺も影響を受け、乾燥やかゆみ、赤みなどが出ることがあります。
季節の変わり目、寒暖差も乾燥のもと
治療を始める前から、「季節の変わり目になると、きまって肌荒れがひどくなる、肌がゆらぐ」という方も多いのではないでしょうか。「夏は冬より乾燥しないから…」という油断は大敵。気温・湿度ともに高い夏も保湿をおろそかにせず、夏乾燥に注意して過ごしましょう。
春から夏へ季節が移り変わる頃は、急激な温度変化や室内外の移動による体感差を受けやすくなります。これらの寒暖差によって、肌の保湿やバリア機能をつかさどる成分が減少してしまい、肌荒れへとつながってしまうのです。
清潔、保湿、保護の3つを守ろう
抗がん剤の影響による肌荒れでも、季節の変わり目からくる肌トラブルでも、基本的な対処は同じです。日々のスキンケアでは「清潔・保湿・保護」を行い、肌の働きが弱まっている部分をセルフケアで補ってあげるようにしましょう。
【清潔】弱酸性の洗顔料を泡立てて優しく洗う
まず、洗顔料は「低刺激」「アルコールフリー」「敏感肌用」などの表示があるものを選びましょう。顔を洗う際には、しっかりと泡立ててから、強くこすらずに優しく撫でるように洗ってください。泡で洗顔料が出るポンプタイプもおすすめです。顔をすすぐときには、40℃以内のぬるま湯で、洗顔料が残ってしまわないように顔周りなどはしっかりとすすぎましょう。
抗がん剤によるニキビは通常のニキビとは異なるため、ニキビ専用の洗顔料では殺菌作用など刺激が強すぎる場合もあります。様子を見ながら使ってくださいね。
低刺激と高保湿に特化した「薬用アトピアD 洗顔料」
アトピアDは、バリア機能が弱っている肌を優しく洗えるように、アレルギー誘因成分を極力配合していません。ユーカリ/ヨモギ葉から抽出した天然清浄エキスなどを配合し、肌のバリア機能に働きかける効果があります。無添加・弱酸性で、赤ちゃんの肌にも使える泡タイプの薬用洗顔料です。
薬用アトピアD 洗顔料(泡タイプ洗浄料)【医薬部外品】
200mL 通常価格1,800円(税抜)
【保湿】洗顔・お風呂の後は低刺激のローションやクリームで
お風呂や洗顔後は、清潔なタオルでそっと撫でるように水気を吸い取りましょう。水分や油分が失われている状態ですので、肌にじゅうぶんな潤いを与えるためにも、ローションや保湿クリームを塗ってください。
商品を選ぶときは「無着色・無香料」「アルコールフリー」界面活性剤、パラベンなどの「添加物フリー」などと表示されている低刺激のものを選んでくださいね。白色のワセリンも、皮膚を乾燥から守る保護膜のような働きをしてくれるのでおすすめです!
【保護】刺激の少ない衣服の着用&紫外線防止を!
がん治療中は、顔に限らず全身の皮膚への刺激を少なくする工夫が必要です。春から夏は1年のなかでも紫外線の量がピークになるため、徹底した紫外線対策を行いましょう。
注意すべき点をいくつか挙げたいと思います。
肌荒れによる炎症がひどい場合などは、ステロイドの外用薬を使用することもあります。症状の改善に向けて、かかりつけ医などに相談してみるようにしてください。
季節の変わり目は、どうしても心身が不安定になりがちですが、毎日のケアを丁寧に見直すことで改善できるものもあります。「清潔・保湿・保護」に気をつけ、ご自身の肌と対話しながら、なるべくゆったりとした気持ちで過ごすようにしてください。
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